マッケンジー法は1950年代にニュージーランド出身の理学療法士ロビン・マッケンジー氏によって考案された腰や首の運動療法です。
ある日のこと、マッケンジー氏はいつものように治療をしていました。
次の患者さんは背もたれのあるベットで待っていました。ところが、治療開始のため呼びに行くと、彼は背もたれを普段よりも高くして、そのうえうつ伏せの状態で背中を反らせ、くつろぐ様に待っていました。
マッケンジー先生は彼に質問をしました。彼は長い間、腰痛で苦しんでいました。しかし、先生の質問に対して「今日は痛くない。」と答えました。
マッケンジー先生は、しばし考えました。そして、ひらめきました。
腰を反らせたことと、腰の痛みが消えたことには何か医学的な因果関係があるのではないか?
まさしく研究はそこから始まったのです。その後は試行錯誤を繰り返しながらマッケンジー治療法を作りあげていったのです。以後、現在に至るまで世界各地で腰痛に対する治療方法として広く普及しています。
ただ、日本においては一部の病院・医院にて保険診療を行っていますが一般的な普及には至っていません。
マッケンジー法の原理
背骨と背骨の間は、椎間板というクッションの働きをしているゼラチン状のやわらかい塊になっています。そして、この椎間板は私たちの姿勢が動くことによってクッションの形状が変化しやすく出来ています。
マッケンジー法ではこの椎間板の一方にかたより過ぎた動きを円滑にすることにより、腰やお尻、太ももなどの痛みを軽減していきます。
例えば、図のように身体を前に倒したときには椎間板の背中側が突き出て、後ろを走っている脊髄神経を圧迫し続けることでその周囲に炎症が起きて痛みを誘発します。
または、中腰で重いものを持ったりすれば椎間板の周りを覆っている線維輪が割れたり、そのすき間に髄核が挟まったりして痛みが出る場合もあります。
マッケンジー法では、このときに身体を後ろに反らす体位をとることで背中側に移動した髄核が、椎間板がお腹の方に開く作用により圧力がそちらに逃げるので、結果的に背中側にあった髄核がお腹側に動いて痛みの消失につながります。
痛みの変化
マッケンジー法では、この療法を続ける途中で痛みの移動が見られます。痛みの場所の変化は、マッケンジー法の特徴です。症状の改善につながる現象です。この変化に必ず注目してください。
平山カイロでは、このような理論のもとに独自のマッケンジーテクニックを行っています。