見えない世界を科学する①

臨床心理士の三沢直子さんは、明治大学文学部心理社会学科教授の傍ら、約30年間、精神病院、神経科クリニック、企業の総合病院神経科などにおいて心理療法、心理検査を担当された心理療法のプロです。

 

しかし、あるときから既存の心理学の概念を用いても歯が立たないない患者さんに出合うことになったのです。その女性は夜中にに重ぐるしい雰囲気でつい目が醒めてしまう。すると知らない女性がそばに立っていて「あなたに移らせて欲しい」と訴えるのです。

 

この女性の家族歴などをじっくり聞くと、複雑な幼少期を過ごしていることが分かったと云います。その理由からか社会にでてからも、人間関係でうまくいかないことが多く、トラブルが起きやすい環境を自らつくってしまうことがたびたび発生してしまう。

 

先生は、内的な問題が関係しているとの診断から数々の心理検査を試したそうです。しかし、病的兆候はまったく認められなかったので悩んでしまいました。このときから、このようなタイプの患者さんがたてつづけにクリニックに来院してきたそうです。解決の糸口が見当たらず、疲労も極限となってしまいました。

 

その時から、先生は霊障を疑うようになりました。科学を標榜するプロの臨床心理士がどうしてそのような判断にいたったのか?わたしはその部分に興味をもって三沢さんの著書を手にしたのでした。


さて、三沢さんはその見えない世界とどのように向き合ったのか。実は彼女自身が変わっていったのです。というより変わらずを得なかったのです。まずは、自分の世界が時間的にも空間的にも、無限に広がっていくのを感じたのです。それによって、それまで落ち込んでいた途方もない無力感から、抜け出し希望が湧いてきたというのです。

 

それまでの科学一辺倒のガチガチだった唯物的思考から、一方があれば他方もあるという柔軟な考え方に転換したのです。


ある青年の例は、会社の寮の自室で夜な夜な怪現象が起こり、いつもなら頭から布団をかぶって通り過ぎるのを待っていたのが、ある時つい好奇心に負けておそるおそる布団から顔をだすと、相手も上からのぞき込んでいて互いに目が合ってしまったそうです。

 

これを心理学の観点から診断すれば、彼は幻覚妄想状態にあって、心理テスト上も病的兆候がみられるはずが3つのテストすべて異常なしの結果であった。その理由から、彼の部屋でそのような現象が起こっている可能性が濃厚になった。

 

実際にそのとき彼はどうしたのか?「一瞬、自分の核にある光が外側に拡がっていって、光のバリアを張った」と云う。三沢先生は極めて正しい方法に思われたそうです。また、同様の現象が起こったら同じ方法をとるように勧め面談を終えた。以来、彼からの連絡はなかったので問題は解決したものと判断した。


このようにして、いままでにない患者さんと接する内に、三沢先生は自分が学んできた心理学ルーティン手法だけでは限界があると思うようになりました。その時から見えない世界を科学するようになり、その手の本をたくさん読んだそうです。いろいろなことが分かったそうです。


シャーロックホームズの著者コナン・ドイルは眼科医であり、作家でもありました。しかし、医院は繁盛とはいかず、あり余る時間を有効利用して探偵小説を書いたらたちまちベストセラーになってしまったのです。ドイルはその印税で、奥さんと一緒に世界中で起こっている心霊現象の研究に没頭したのです。「コナン・ドイルの心霊学」は名著でありいまでも版を重ねています。ーーー続く