150キロでスピン

15年ぐらい前に、高速道路で150キロの猛スピ-ドでスピンして事故を起こしてしまった患者さんのお話です。車はメチャメチャに壊れてしまったそうです。

 

しかし、そんな事故にもかかわらず奇跡的に軽症ですんだそうです。

 

でも、時は15年経ちカラダに異変があらわれてしまいました。首から背中、とくに肩甲骨にかけて鉛のよろいを着ているような違和感が常にあるようになってしまいました。ところがレントゲンでは骨に異常なしです。どうにも我慢ができなくなり、私のところに来られました。

 

患部を触った瞬間、周囲の筋肉がガチガチに硬くなっていました。このような場合、どのような医学的なプロセスが患者さんの患部に起こったのでしょうか。

 

事故にあったときに、かなりの衝撃が患者さんのカラダにかかったはずです。そのときの様子をスロ-モ-ションのように見れば、首・肩・肩甲骨の筋肉は上下左右に激しく揺さぶられたと思います。そして筋肉を構成している筋線維の何十本かは切れたり、損傷を負ったりしたと考えられます。

 

しかし、時間の経過とともに一見よくなったかにみえますが、でも実際は違うのです。

 

筋肉は切れたり、損傷を受けるたりすると瘢痕化(はんこんか)という治りかたをします。手術で縫合した部分が盛り上がって治癒するのと一緒の現象です。

 

この状態が筋肉の中で起こると、組織周囲にある神経や血管が盛り上がりによって引っ張られたり、圧迫を受けます。そして、血流障害が起こり時間が経つほど疲労物質がたまり、筋肉はどんどん硬くなっていきます。この一連の出来事が深部筋の慢性疲労につながり、耐えがたい痛みやつらさの原因となります。

 

この場合の施術は、深部筋の筋線維に指の腹をもぐり込ませる様に、そして脊髄反射を誘発させ、筋肉が緩むるようにしなければ硬くなったところは改善しません。その上で適切な矯正をほどこせば更に良くなります。

 

この方の症状は、5~6回でよくなり、その後は半年ごとの施術ですんでいます。