幼い子供は、カラダが疲れるとところかまわずゴロっと寝てしまいます。どんな姿勢でもおかまいなしです。
また、幼児期にはいろんな体験をします。しかし、次から次へと新しい場面を経験するのでその記憶は長つづきしないといわれています。
ところが、暴力や強烈な体験、更には強いストレスが幼い心に刻みこまれると、そのことが後々の人生で感情のパターンとして筋肉に記憶されるとの報告があります。
たとえば、うれしい感情に対しては筋肉がゆるみます。対して、怖いとか嫌な感情に接すると筋肉が緊張して縮みます。
日々の施術において、患者さんのカラダを触診すると生活や人生そのものを直観的に感じることがあります。体型にその痕跡が、筋肉を通して残っているのではないかと思うのです。
私たち施術家は患者さんといろいろなお話しをします。その話の中から筋肉疲労や痛みにつながる遠因、つまり根本原因に突き当たることがあります。
そこまでを含めて施術を考えると、この施術の世界は深い分野であるとの実感が湧いてきます。
とくに運動性の疲労とストレス性の疲労には疲れる筋肉群に違いがあります。
運動性の場合は腰から足にかけて、肩から腕にかけて筋肉の疲労がでやすくなります。
加えて、ストレス性の疲労には奥歯をかみしめて前かがみの姿勢をとる傾向があるので、頭部から体幹の軸を中心に前面にかけて縮む姿勢となりますのでその部分がコリます。この場合、内臓に影響がでやすくなります。
筋肉には人生と生活の記憶が刻まれている所以(ゆえん)が、いままで述べてきたことに凝縮されています。