痛みとコリの発生どちらが先

今現在、私自身の痛みのとらえ方は筋・筋膜性疼痛症候群によっていろいろな痛みが出るとの考え方に賛同しています。

 

例えば腰部椎間板ヘルニアが発生した場合、ヘルニアができたから次に腰などに痛みがあらわれたのか患者さんは悩むところだと思います。

 

しかし、筋・筋膜性疼痛症候群の考え方は明瞭に解答を授けてくれます。私たちは生活する上で常に持続的な姿勢保持、あるいは複雑な動線で動くことにより局所の筋肉にはかなりの負担をかけています。

 

このような日常が慢性的につづいたらどうなるでしょうか。筋肉が悲鳴をあげてしまいます。その結果、過剰な筋緊張を誘発して虚血、つまりその周辺の血液循環をわるくしてしまいます。その繰り返しが、発痛物質の蓄積をうながし、筋肉にある痛みを感じるセンサ-が過敏となり、ついに悩ましい痛み発生となります。

 

この痛みは筋肉を緊張状態にさせてしまいます。つまり、最初のこり発生です。筋肉版ビックバンのはじまりです。筋硬結はかたくなった筋肉を動かすために必要以上にエネルギ-を消費してしまいます。代謝産物である乳酸も増えてしまいます。その過程では発痛物質もつくられ、さらなる痛みが加わります。

 

これが筋・筋膜性疼痛症候群のしくみです。

 

このしくみが腰の部分で起きたらどうなるでしょうか。こりによって筋肉が縮みます。腰の骨である椎骨がひっぱられます。こり側に傾くわけですからクッションの役割の椎間板も左右に圧力差が生まれヘルニアの原因となります。

 

この考え方を応用すると、ヘルニアの深刻度によりますが中程度以下であれば筋硬結や筋緊張を取り除く施術で痛みから解放されます。

 

ヘルニアのでっぱりは神経根を圧迫します。神経は7割ぐらいの圧迫には耐えられる構造です。繰り返しの局所の過緊張で炎症物質がつくられ、神経根が炎症を起こすことにより、はじめて痛みとなるのです。

 

ですから、ヘルニアがあったとしても椎骨が潰れていても、あるいは椎間板が狭くなっていても、炎症さえ起こらなければ痛みがでない人はたくさんいるのです。

 

優先すべきは痛みの最初の原因である筋硬結を取り除くことなのです。